2020年9月1日、コロナウィルスで多くの企業やお店が苦境に立たされている中、読谷村に小さなカフェがオープンしました。
ルワンダ産の豆のみを取り扱うスペシャルティコーヒー専門店だけど、普通のカフェとはちょっと違う。
大きな夢と目標が詰まった「世界への扉」です。
Contents
大学生が営むカフェ

Tobira cafeのオーナーは大学1年生の山田果凜さん。
コロナウィルスの影響で大学がオンライン授業となったことがきっかけで、地元である読谷村にお店をつくりました。
ルワンダへ直接足を運んでコーヒー豆を調達、焙煎からドリップまで全て自ら行っています。
実はルワンダのコーヒー豆に出会うまではコーヒーが飲めなかったそうですが、カフェをオープンするにあたり座喜味城跡の近くにあるブルームコーヒーで修行もしました。
ブラジルやエチオピアのようなポピュラーな生産地ではなく、なぜルワンダ産のスペシャルティコーヒー専門店を開いたのか?というと、その理由は5年前に遡ります。
きっかけはスラム街で出会った少年

山田さんは14才のころ、将来について悩み不登校になっていました。
そんな姿を見たお父さんにインドへ連れて行かれ、そこでアルソン君という7歳の少年に出会います。
彼はスラム街の物乞いでしたが、なんと5ヶ国語を喋ることができる賢くて未来のある子どもでした。
アルソン君に「ここから連れ出してほしい」と言われたけれど当時の彼女には何もできず。
その悔しい経験から世界各地で精力的にボランティア活動に取り組むように。
しかし、18歳のときに転機となるできごとが起きました。
ボランティアに行ったインドで幼い子どもが飢えにより命を落とす場面に立ち会ったのです。
そして金銭的な支援という形でのボランティでは足りないと考え、「ソーシャルビジネス」という仕事を通した持続可能な社会貢献を目指すことに。
コーヒーを通じてできること

アフリカのシンガポールと言われているルワンダは山に囲まれた小さな国。
26年前には内戦による大量虐殺が起きたことで知られていますが、現在はIT国家として急速に発展が進んでいます。
しかし、郊外に行くと裸足の子どもが歩いているような格差社会。
そんなルワンダのコーヒー農園では上質なコーヒー豆を生産しているのですが、輸出コストが高く、さらにはコロナの影響もあり輸出先がなかなか確保できないのが現状です。
そこでルワンダのコーヒー豆をTobira Cafeで仕入れ、日本で販売するソーシャルビジネスを立ち上げました。

このことで農園での雇用を拡大。
今後は、牛の糞と灰でつくったカラフルな壁飾り「イミゴンゴ」という伝統工芸品の販売も進めて新たな雇用の場を生み出そうと考えています。
さらにはTobira Cafeの売上の5%を寄付し、病院へ食事の提供も。
ルワンダの病院では入院していても食事は出ないため、家族が届けなければいけません。
しかし経済面などの様々な問題から食事を届けることも難しいそうです。
「こういったことをおいしいコーヒーを通して認知する、変わった体験をしてもらえたら」と山田さんは語ります。
ボランティアと聞くとつい難しく受け止めてしまいますが、Tobira Cafeならお客さんとして気軽に支援活動の一端を担うことができるのです。
おいしいパンとコーヒーメニュー

Tobira Cafeではコーヒーの品質審査制度、カップ・オブ・エクセレンスで2位に入賞したこともあるコーヒー豆を使用。
甘い香りで紅茶のようにあっさりとしたギシャンブ。酸味のあるルワムウェル。そしてアイスにぴったりな深入りのTobiraブレンドの3種類です。
コーヒーはすべて1杯490円。3種の飲み比べ(650円)もあります。
コーヒー豆は100グラム1080円で販売。

ケーキや読谷村の人気店「ぱん工房おとなりや」のパンをおともに、希少なスペシャルティコーヒーを楽しんでは。
自由に未来を描ける世界を

「子ども達が自分の未来を自由に描ける世界をつくりたい」と力強く話す山田さん。
その情熱に心を動かされ人たちが彼女の力となり、Tobira Cafeで繋がっていった優しい想いと支援がルワンダへと届きます。
直接お店に行けなくても、ウェブ通販でコーヒー豆を購入することが可能です。
「注文がたくさん入って忙しい」
朝早くからコーヒーを焙煎する彼女の表情はとても生き生きとしていました。
Tobira Cafe基本情報

電話番号/050-3556-8841
営業開始/8時30分〜18時
定休日/月〜金曜日
駐車場/無料駐車場あり
WEB/Tobira Cafe公式サイト
SNS/Tobira Cafe公式Instagram
アクセスマップ・所在地
沖縄県中頭郡読谷村波平2422-1
※那覇空港から約60分
Tobira Cafe周辺のおすすめスポット
Tobira Cafeでコーヒーを飲んだ後は車で約15分で行ける琉球村に行ってみては。沖縄の原風景や伝統業芸を体験できます。

読谷村を代表するニライビーチまでは車で約5分。透明度が高くリゾートらしい風景の美しいビーチです。

