斎場御嶽(せーふぁうたき)は、琉球の開闢(かいびゃく)神話とゆかりが深い場所です。聖地として沖縄県民はもちろんのこと、国内外の観光客も足を運びます。
2000年には、首里城跡などとともに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として日本で11番目にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
そんな斎場御嶽を観光する際の所要時間や駐車場情報、訪れる際の注意点、見どころなどを詳しくご紹介します。
※2023年12月現在、公式サイトで斎場御嶽でのカメラでの写真撮影は控えるよう推奨されています。
Contents
斎場御嶽とは?
斎場御嶽は、琉球王国の創生の神、アマミキヨがつくったとされる琉球七嶽(七つの聖地)の最高位の聖地。6つのイビ(神域)がある、とても神聖な場所です。
かつては男子禁制だった斎場御嶽。国王も例外ではなく、斎場御嶽を訪れて御門口(うじょーぐち)より先に進むときには、着物の襟合わせを女性のように改めなければいけなかったそうです。
現在も、「東御廻り(あがりうまーい)」という聖地巡拝行事の参拝地となっています。
チケット売り場と斎場御嶽までの行き方
斎場御嶽の駐車場とチケットの販売機は、斎場御嶽の入り口ではなく「南城市地域物産館」にあります。南城市地域物産館はトイレやロッカー、レストランなどがある道の駅です。
南城市地域物産館から斎場御嶽の入り口までは約500メートル、歩いて5分〜10分ほどで着きます。
入場チケットを買ったら斎場御嶽へ歩いて行きます。郵便局の横の路地を入ってまっすぐ行くのですが、緑のゼッケンを着けた案内員さんが立っているので迷うことはありません。
斎場御嶽の入り口に着いたら、「緑の館・セーファ」でチケットを提示。注意事項の案内動画を見てから入場になります。
斎場御嶽内にはトイレや自動販売機はないので、南城市地域物産館か緑の館・セーファで準備を済ませて行きましょう。
斎場御嶽の見学にかかる所要時間は?
南城市地域物産館から斎場御嶽までの移動時間、注意事項の案内動画を見る時間も含め、所要時間は約1時間です。
斎場御嶽の見学ルートはそこまで広いわけではありません。ただし、足元がいいとはいえないので、小さなお子さんや高齢者がいる場合、1時間30分はみた方がいいでしょう。
斎場御嶽の様子と見どころ
御嶽内への参道の入り口、御門口から坂を登るったところにあるのが「大庫理(うふぐーい)」。大広間という意味です。緑がたくさんあるからなのか、なんだか空気が違う気がします。
この石畳の敷かれたところが祈りの場で、聞得大君の就任の儀式「お新下り」が行われたました。
こちらは第2の拝所、「寄満(ゆいんち)」。貿易によって世界中から豊穣が寄り満つるようにと、名付けられたそうです。
こちらは第2・4の拝所の「シキヨダユルアマガヌビー」と「アマダユルアシカヌビーの壺」です。
上にある2本の鍾乳石(ちーたいいし)から滴り落ちて壺に貯えられた聖水は、聞得大君の就任の儀式に使われました。
こちらはSNSでもよく見かける人気スポット、三角岩です。三角岩の先にも拝所があります。
巨大な岩でできた三角のトンネルは、自然にできたものとは思えないほど美しく荘厳で、圧倒されました。
奥の突き当たりにあるのが、三庫理(さんぐーい)です。以前は三庫理の左側に岩があったそうですが、今は神が降臨したといわれる久高島を望むことができます。
6番目の拝所、「チョウノハナ」では地下から金のまがたま3個などたくさんの鎮め物が発見されたそうです。
斎場御嶽は聖地というだけでなく、貴重な生き物や植物の宝庫にもなっています。池では絶滅危惧種のシリケンイモが泳いでいました。
斎場御嶽に行くときの注意点
動きやすい服装がおすすめ
斎場御嶽は歩道が整備されてはいますが、かなりゴツゴツしています。
登山とまではいきませんが、急な傾斜の坂道も一部あるので、ヒールのある靴は厳禁です。
スニーカーなど歩きやすい靴を履いて行きましょう。
うっかり歩きづらい靴で行ってしまった場合は、入り口でサンダルを無料で貸し出してくれます。
服装も露出の多い服は避け、聖地にふさわしい清潔感のある服装を心掛けましょう。暑い時期は蚊も多いので、そういった意味でも露出が少ない方が安心です。
マナーを守る
斎場御嶽はパワースポットであり「聖地」です。たくさんの人が参拝に訪れる場所なので、きちんとマナーやルールを守りましょう!
以下は、斎場御嶽に入る前に説明された注意事項です。
- 斎場御嶽にある全てのもの、植物・石・生き物などに触ったり持ち出したりしない
- 大きな声で騒いだり周りに迷惑をかけない
- 飲食をしない
- ゴミをポイ捨てしない
- 動物を連れて行かない
- 香炉には絶対にのぼらない
斎場御嶽の基本情報
営業時間・料金
営業時間:9時~18時(1月~2月は17時30分まで)
利用料金:大人300円(高校生以上)・小人150円(小中学生)・団体200円(20人以上)
※聖地としての静寂さの確保と自然保護のため、旧暦の5月1日〜3日・10月1日〜3日の毎年2回休息日を設定しています
アクセスマップ・所在地
【駐車場・チケット販売所(南城市地域物産館)】
沖縄県南城市知念久手堅539
【緑の館・セーファ】
南城市知念字久手堅270-1
電話番号/098-949-1899(ガイドツアーの予約はこちら)
【斎場御嶽】
沖縄県南城市知念久手堅455
※沖縄自動車道南風原北ICから約25分
ガイドツアーの申し込みについて
平日の斎場御嶽のガイドツアーは事前予約制です。約50分のツアーで、斎場御嶽の歴史や琉球王国の文化などをまじえながら案内してくれます。
土日祝日には9時30分から16時の間で1日10回、定時でガイドツアーが開催されます。ツアーの出発場所はチケット売り場の前からです。
予約ガイド受付時間:9時〜16時
予約ガイド料金:1人〜10人まで2,000円(11人目からは1人につき+100円)
定時ガイド料金:高校生以上 300円
南城市地域物産館の隣、がんじゅう駅 南城では斎場御嶽に関する展示室があります。
斎場御嶽の歴史がわかるので、ツアーに参加しない人はこれを見てから行くだけでもぐっと理解が深まりますよ!
斎場御嶽に行く前に知っておきたい用語
斎場御嶽に行く前に知っているとより楽しめる重要な用語がいくつかあるので、簡単に解説したいと思います。
御嶽(うたき)・拝所(うがんじゅ)
航海守護神・島守神などの神々を祀る神聖な場所。
聞得大君(きこえおおきみ)
琉球王府によって王の姉妹または王女の中から任命された最高位の神女。国王や国の守護者として崇められ、1470年〜1875年までの約400年間、15代にわたって重要な神事を担っていました。
御新下り(おあらおり)
聞得大君聞得大君の就任儀礼。首里城から南風原・大里・佐敷間切を通って斎場御嶽へ行き、夜中に就任の式典を行っていたそう。
東御廻り(あがりうまーい)
国家の繁栄と五穀豊穣を祈願する国王の巡礼がもとになった、アマミキヨが住んだと言われる知念・玉城の聖地を巡拝する行事。
斎場御嶽の立ち寄りスポット
斎場御嶽の周辺には、立ち寄りやすいお店や観光スポットがいくつもあります。すべて徒歩で行ける場所です。
おみやげ市場
道の駅がんじゅう内のおみやげ市場には、沖縄県の特産品やちょっと変わったアイテムもあります。
こちらはアイスなのですが、よ〜く見てみると海ぶどうが入ってます!味はソルティミルク・シークワーサー・パイナップルの3種類です。他にもカチ割り黒糖と、黒糖珈琲、お酒、南城市のオリジナルゆるキャラ「なんじい」のミルクタルトなどたくさんあるので覗いてみてくださいね。
幸せの架け橋(プチ展望デッキ)
道の駅がんじゅうの裏側には、小さな展望デッキがあります。あざまサンサンビーチ方面までよく見えて、見晴らし最高です。
知念岬公園
知念岬公園は、無上司を代表する絶景ポイントです。道の駅がんじゅうより少し奥に進んだところにあります。