粟国島(あぐにじま)は、那覇から北西に向かって約60kmの場所にある有人離島です。周囲約12kmの小さな島で、豊かな自然と素朴な雰囲気が心を癒してくれます。
今回は、粟国島での移動手段や観光モデルコース、フェリーでの行き方などを詳しく解説します。
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粟国島観光の楽しみ方と注意点
粟国島には、観光テーマパークやリゾートホテルはありません。ただのんびりと、雄大な自然を楽しむのがおすすめです。観光客が多くないので、静かにゆったり過ごせます。
しかし、観光地化されていないため、粟国島で過ごす際には注意点もあります。
ひとつ目は、粟国島での食事です。島内には飲食店が少なく、臨時休業することも珍しくありません。うっかりするとご飯難民になってしまうので、事前に営業時間などを確認しておきましょう。
売店でお弁当が売っていますが、地元の人も購入するため、お昼を過ぎると品薄になります。
2つ目の注意点は、車や自転車の利用マナーです。集落を移動する際には安全に注意し、地元住民の方の迷惑にならないようにしましょう。
粟国島観光での移動手段は3つ
粟国島は小さな離島ですが、徒歩で移動するのは難しいでしょう。移動手段はレンタカーとレンタサイクル、乗合タクシーの3つです。レンタカーとレンタサイクルは、粟国村観光協会ビジターセンターで借りられます。
レンタカー
粟国島にはレンタカーがありますが、予約制の6台限定です。粟国島へ行く予定が決まったら、早めに予約しましょう。
レンタカーは電動タイプの軽自転車です。料金は3時間2,000円、6時間3,000円、24時間5,000円となっています。レンタカーの返却時には、ガソリン代の代わりに走行距離に応じて電気代を精算します。
レンタサイクル
坂道が多い粟国島では、電動アシスト付きのレンタサイクルを利用できます。料金は3時間800円、6時間1,500円、10時間2,000円です。
小学生が乗るのにちょうどいい、子ども用の電動アシスト付レンタサイクルも1台のみあります。レンタサイクルも念のため予約しておくのがおすすめです。
乗合タクシー
乗合タクシーは島内に1台のみ。電話で呼び出して利用します。利用料金は、1回の乗車・下車で200円、小学生以下と75歳以上は100円です。
他の人がタクシーを利用していると、時間がかかることもあるので、時間に余裕を持って利用するようにしましょう。
1泊2日!粟国島観光モデルコース
1日目
9時30分:とまりんから粟国島へ出港
11時30分:粟国港に到着・レンタカーを借りる
12時:ランチ
13時:ウーグの浜で遊ぶ
15時:集落を散策しながら洞寺へ
16時:ホテルにチェックインしてひと休み
18時30分:マハナ展望台でサンセットを眺める
2日目
10時30分:東ヤマトゥガーを観光
11時:ヤヒジャ海岸を観光
11時30分:浜売店でお土産をチェック
12時:レンタカーの返却
12時30分:とび吉でご飯を買って海を見ながらランチ
13時45分:粟国港からとまりんへ出港
粟国島へ着いたら、まずはレンタカーを借ります。粟国港からビジターセンターまでは徒歩約10分ですが、町営バスなら1分もかからずに着きます。
レンタカーを借りたらランチを済ませて、ウーグの浜や集落、洞寺へ。美しいサンセットが見られるのは日没の前後なので、時間をチェックしておきましょう。
東ヤマトゥガーとヤヒジャ海岸はすぐ近くにあるので、セットで行くのがおすすめです。急勾配の坂を下った先にあるので、運転が苦手な人はヤヒジャ海岸ではなく遊歩道に行くのがいいかもしれません。東ヤマトゥガーも急な坂の下にありますが、入り口に車を停めて徒歩で歩いて行けます。
最後に浜売店でお土産を買ってレンタカーを返却したら、粟国港前にあるとび吉で海鮮丼を買って、海を見ながら食べてはいかがでしょう。粟国港の待合所でも食事できます。
日帰りでの粟国島観光モデルコース
9時30分:とまりんから粟国島へ出港
11時30分:粟国港に到着
11時45分:レンタカーを借りる
12時:マハナ展望台で景色を眺める
12時30分:東ヤマトゥガーを観光
13時:浜売店でお土産を購入
13時15分:レンタカーを返却
13時45分:粟国港からとまりんへ出港
日帰りで粟国島を観光する場合は、滞在時間が2時間15分のみです。食事は事前に済ませておき、粟国島へ到着したらサクサク島内を周りましょう。
マハナ展望台と東山トゥガーはとても近いので、短時間での観光におすすめです。もしも時間にゆとりがあれば、ウーグの浜へ足を伸ばしては。
粟国島の観光スポット
ウーグの浜
ウーグの浜は、全長1kmもある天然のロングビーチです。真っ白な砂浜にサンゴ、クリアブルーの海がまるでハワイの北海岸のような雰囲気です。
監視員はいませんが、波は比較的穏やかで夏には遊泳エリアが設置されるので、遊泳に向いています。
ウーグの浜の駐車場は小さくうっかり見落としそうになるので、「粟国島オートキャンプ場」の看板を目印に行きましょう。無料の駐車場、トイレ、シャワーがあります。
所在地:沖縄県島尻郡粟国村浜
営業時間:特になし
入場料金:無料
駐車場:無料駐車場あり
マハナ展望台
マハナ展望台は、粟国島の南西側に位置する絶壁の上にあります。特徴的な形の東屋からは、晴れていると渡名喜島などの離島が見えます。
昼間に見る草原越しの海と空も魅力的ですが、サンセットに行くのもおすすめです。夜には星空も楽しめます。
所在地:沖縄県島尻郡粟国村
営業時間:特になし
入場料金:無料
駐車場:無料駐車場あり
洞寺公園
洞寺公園は、地底に神秘的な鍾乳洞があります。鍾乳洞ではかつて、雲水という僧侶が修行していました。
鍾乳洞内は遊歩道が整備されていますが、ゴツゴツした岩や加木が生い茂る階段を下りて行った場所にあるので、動きやすい服装で行くのがおすすめです。
鍾乳洞の上の公園には、粟国村の無形文化財である「むんじゅる節」の歌碑があります。
所在地:沖縄県島尻郡粟国村
営業時間:特になし
入場料金:無料
駐車場:無料駐車場あり
東ヤマトゥガー
東ヤマトゥガーは、自然の壮大な力を感じる巨大な岩です。ふたつに割れたような形をしていて、岩の間を通ると海岸に着きます。巨大な岩へと向かう遊歩道からの景色は絶景です。
所在地:沖縄県島尻郡粟国村
営業時間:特になし
入場料金:無料
駐車場:周辺に駐車スペースあり
遊歩道(ヤヒジャ海岸)
ヤヒジャ海岸への遊歩道も、高台から海岸を見下ろせる絶景スポットです。長い階段を下りると、ヤヒジャ海岸へ着きます。赤茶色や白の地層は、火山活動でできたといわれる粟国島ならではです。
所在地:沖縄県島尻郡粟国村
営業時間:特になし
入場料金:無料
駐車場:無料駐車場あり
粟国島のレストランなどは電話連絡必須
- 丸三飯店:11時30分〜14時/不定休
- 喫茶まはな:9時〜15時(土日祝は17時まで)/不定休
- キッチントントンミー:11時〜15時/日・月定休
- しまカフェ ヒージャー珈琲:11時〜14時・15時〜19時/火・水・木定休
- AGUNI BEER:要予約
- 食事なびぃー:11時30分〜14時・18時〜23時/休業中
- パーラー豊幸:17時〜23時/月曜定休
- 民宿寿:11時30分〜13時(要予約)
- Bakery cafe AGUNI FAN:12時〜13時30分・15時〜18時/不定休
- 海のそば とび吉:10時30分〜18時(14時〜15時休憩)/火・水定休
粟国島にはカフェ・レストラン、食堂などは臨時休業することが珍しくありません。事前に営業しているか確認してから行くのが安心です。
食事できることが少ないため、席が満席だったり売り切れていたりもするので、特に夜ご飯を食べる場合は予約しておきましょう。
上記のほかに、島のスーパーマーケット的存在の浜売店と新城商店に行けば、おにぎりやカップラーメン、お菓子などを購入できます。
粟国島のホテル・民宿事情
粟国島には、民宿と一棟貸しのゲストハウスがいくつかあります。基本的にゲストハウスは素泊まり、民宿は1泊2食付きのケースが多いです。
ウェブサイトがなく電話予約制の民宿がほとんど。予約内容に間違いがないよう、電話でしっかり確認しておきましょう。
ウーグの浜沿いには「粟国島オートキャンプ場」もあります。入場料が大人400円/人、小学生は200円/人、キャンプサイト利用料が1泊2,000円〜5,000円です。手ぶらキャンプセットやBBQセットのレンタルもあります。
粟国島で唯一のホテル「プチホテルいさ」は、ベッドタイプで各部屋にユニットバスが付いています。2食付き2名1部屋で、1泊9,500円/人でした。子どもは7,800円です。
夕食はトンカツや刺身、もずく酢などの定食です。
粟国島のお土産もチェック
粟国島のお土産といえば、もちきびと羊羹、塩、黒糖、ソテツ味噌です。もちきびを使ったかりんとうや麺も売っています。
ソテツ味噌は、ソテツの実のデンプン質を使ってつくっているそうです。お土産品は、売店や飲食店のレジ横、フェリー乗り場の待合所でも購入できます。
フェリーでの粟国島への行き方
粟国島行きのフェリーは、那覇市の「とまりん」から出港しています。1日1便、9時30分出港の11時30分着。粟国港からは13時45分出港、15時45分とまりん着です。
片道約2時間で、往復の乗船料金が大人4,620円、小学生2,320円となっています。
フェリーは自動車を積まない場合は予約ができないので、当日にとまりんの窓口でチケットを購入しましょう。支払いは現金のみです。
ちなみに那覇空港から飛行機で25分ほどで行けますが、週4往復ほどと運行本数は多くありません。
粟国島観光を楽しもう!
粟国島はあまりメジャーではありませんが、沖縄らしいのんびり素朴な雰囲気を楽しめます。自然を満喫したい人や日常から離れたい人には、特におすすめの離島です。
ただし、飲食店は臨時休業することもあり、レンタカーも台数が限られているので、事前確認や予約してから行きましょう。